ピアノを弾きたいお客様のお悩み
防音対策のご相談の中でピアノの音を漏らしたくないというご相談がとても多いもののひとつです。ピアノを音をイメージするとピアノの音が強く、割と大きな音のイメージができると思います。実際にそのイメージの通りでいろいろな音の中でも、音の重さが重く音圧レベルが高く、わりと防音する事が難しい音のひとつです。
ピアノを弾く時は何かの曲の練習をしているか、何かの曲を楽しんでいるか、またはその時間や空間を楽しんでいると思うのですが、これは100%プライベートな空間であるという事が言えるます。コンサートのような状況と比べて、このようなプライベートな空間は誰にも邪魔されたくなく、また誰からも干渉されたくないと思います。 それに対して、そのピアノの演奏している空間は戸建て住宅やマンションのように、完全な防音室ではありません。よって一般的な住宅では何かの対策を講じないとピアノの音のように立体的で強い音はどこからか伝え漏れるので、外部から見ると堂々とピアノを弾いて、聴かせているのではないかというほどに伝わってしまいます。
ピアノを弾いているという自分のイメージと、外側から見たイメージが全く違うので、この視点を合わせるという意味合いで防音対策が必要な事例の一つという事ができます。 周囲に気づかれにくいという事が自分の安心につながりますので、防音対策が必要な状況だと思います。
二重窓でピアノの音を防音するしくみ
音にはいろいろな種類があります。音の種類をイメージした時に、強い音と弱い音があると思います。この強い音と弱い音というのは、ボリュームというような音量のようなものではなくて、音の厚みと言えばイメージがつき易いでしょうか。
ピアノの音はこの音の厚みがとても強く、音を小さくする事にその音の厚みに対応できる構造が必要です。 音の厚みとは音を出す構造が大きく、音を増幅させる器が大きいので、窓であれば簡単なタイプでは、その振動エネルギーを抑える事ができない為、当然防音効果は物足りません。 音は単一の音だとしても基音プラス倍音の何十和音もで構成されているので、できる限り防音効果を高めるには、気密性能が極めて高い事で高音域、基音の低い音を抑えるには、その振動エネルギーを抑え込む重量がないと、音は小さくなりません。 住まいにおける防音性能は、建物の防音性能が限界値に対して弱い部分である窓の防音性能を補う事が最大の防音性が高い状態になります。
そこを考えますと、それなりに静かになるという状態は存在しないので、インプラスやプラマードUのようなゆるく軽い窓では、到底太刀打ちできません。 厚みのある音に対策するには、究極に気密性能を高める事、壁と同じ重量のガラスを使う事なので、内窓プラストを設置した室内は音が籠り、仮に漏れたとしても周囲に伝わりにくい事から十分な防音室に近い環境が叶えられます。
ピアノの防音する場合の各商品評価
次にご紹介する点数はピアノの音を漏らしたくないという目標に対して、ピアノを弾いてる方側が安心できるという観点の点数であり、音が消える比率ではありません。
インプラス 20点
プラマードu 20点
まどまど 65点
プラスト 90点
すべての音に共通して言える事ですが、低い音にも高音域の共振があるように、音は周囲に跳ね返って立体的に構成されています。人の耳の聞こえ方は、どんな音でもそれを構成する高い周波数の部分に敏感なので、今の窓に満足できない方が居たとしたら、そこに組み合わされているガラスよりも、隙間からそのまま漏れている音にフォーカスしています。
インプラスやプラマードUの汎用性の高さが何を失っているかというと「ぴったり隙間なく閉まる」という観点が大きく欠如しているので、どんな音に対しても、その音を潰すという事ができませんから、正直どんなガラスを組み合わせても体感的な防音効果は変わらないんです。 その具体的な事例として、ピアノの防音対策にインプラスやプラマードUを付けた方が、その防音効果に満足できず、内窓プラストに付け替えて初めて満足したという事例がとても多い事がその根拠と言えます。
内窓プラストを付けても満足度が100%に到達しないのは、内窓プラストの性能が足りないのではなく、窓以外の経路からの音の伝わりが絶対的にあるので、この10%は認識として残しておいた方が良いという意味合いであり、窓として選ぶのではあれば99%近い満足度が得られると考えています。
ピアノの音を防ぐ満足度はフレーム(内窓)で決まってしまいます
どんな音の防音だとしても、防音窓の満足度はどのタイプの内窓枠を使うかでほぼ決まってしまいます。防音は高音中音低音の順に5:3:2と言われていて、いかに高音域をゼロに近づけるのかがポイントで、満足がこれで決まってしまいます。
一般的によく言われるデシベルというものは、高音域の5と低音域の2を無視して、モノラル評価で中音域の3を拡大解釈した性能のものに対して、人の耳は高音域にとても敏感ですから、そこの周波数が小さくならないと中音域が40デシベル小さくなっても、高音域のエリアの感度を上げて聞き取り評価しようとする為、同じような性能評価の内窓でも、これほどまでに満足度が別れるんです。
インプラスやプラマードUのようなお手軽簡単な内窓と、内窓プラスとの高機密の違いはこの部分の完璧さの違いであり、組み合わせるガラスの前に大きな差が出ます。 そしてこの後にご説明いたしますが、組み合わせるガラスの違いは中音域から下の低音域に影響が出ますので、音の厚みを抑える事で高音域を抑えた窓の場合にガラスの違いが初めて分かります。
ピアノの音を防ぐガラスの選び方
ここはとても大切な部分です。なぜなら各種ガラスの単独評価と二重窓に組み合わせたものは全くとらえる尺度が変わるからです。例えばペアガラスはコインシデンスと呼ばれる共振周波数が2つあること、またFRMDと呼ばれる低音共振周波数がある事から、ガラスの防音性能はJIS T-1に満たないと防音性能はからっきしダメだと言われています。 しかし、丸正屋の高機密施工した内窓プラストに組み合わせた場合、ガラスの遮音性の表記のイメージを覆す防音効果が得られています。これはなぜかというと内窓プラストという枠によって得られる高機密が故に、それだけで中音域から高音域の音が抑えられてしまう点、またペアガラスも高音域は弱くないという点(コインシデンスを除く)です。
次に防音性能が高いと言われる防音合わせガラス6.8mm JIS T-2ではどれほどまでに防音効果が高いという風にイメージをしてしまいますが、主な違いは中音域の遮音値です。 インプラスやプラマードUのような簡単なタイプの内窓が防音できる周波数の幅が狭いのでペアガラスから防音合わせガラス6.8mmにしたとしても防音効果の向上は中音域の限定された周波数でしか違いが出ませんので、私たちの実験検証ではたいして満足度に差が出ないという事がわかっています。 内窓プラストのような高機密で高性能な窓の場合には低音から高音まで幅広い周波数で音に対する制御の関与ができますから、12,8mmなどの合わせガラスを使った場合に低音域にまで音の厚みに対抗できる事でピアノの強い音にはじめて変化が出ます。
ガラスの選び方は、ガラス単体の防音性能を考慮するのですが、枠が伴わなければ防音効果にガラスの性能を反映する事ができないのです。 かつてインプラスにスペーシア静という特殊なガラスに入れ替えたお客様と出会いました。工務店のおすすめのまま入れ替えたそうですが、ペアガラスの時と比べて全く防音効果の向上がなかったそうです。理由は明確ですが補足しますと枠が緩くて空いているのと同じだったという事です。 ピアノの音の防音効果を高めるにはガラスの防音性能を発揮する枠を選ばないとガラスの効果が出ないばかりか、専門的な防音には至らないという事を十分気をつけてください。
内窓でピアノの防音する際のポイント
ピアノの音の特徴を述べますと、低音中音を中心に高音域にまで伸びやかな音が力強く伝わってくるイメージです。これはピアノの演奏を聴いた事のある方ならそれが頭にイメージできると思います。
高音域まで伸びやかでペダルで響きまで抑える事も自在な音は、簡単な窓では突き通してしまいます。防音室のドアがガチャンと強固に閉まるようなイメージのように音という振動エネルギーに揺らされない安定感が重要ですので、とにかくピタッと閉まった窓が重要ですから内窓プラストのような防音タイプの窓が必要となる事でしょう。
インプラスやプラマードUのような簡単なタイプは障子やふすまのようなイメージで左右にスムーズに開閉する窓が音の通り道である窓の音の出入りを抑えられるわけではありません。気休め程度の期待度なら良いかと思いますが、屋外に漏れない満足なレベルを求めるのではあればインプラスやプラマードUは選択から外れます。
ピアノの音を防ぐ場合のポイントは開閉できる窓であっても壁と同じような揺るぎない安定感です。アップライト、グランドピアノなど音の厚みに応じて窓ガラスの重量を選ぶ事と、閉まり切った時点でピクリとも動かない最高な施工で窓を据え付けた時に、窓も壁と同じような状態になりますので、そこまで行けば早朝や夜であっても安心してピアノが弾けるような空間になります。
実際どれだけ音を減らせますか?
ピアノの音を実際にどこまで抑えられるかは、デシベルと呼ばれるもので考えてもなかなかイメージがつきづらいです。ここはピアノの音を音域別に分けて考えて認識する必要があります。これはオクターブによる違いではなく聞こえる音を低音中音高音と分けてイメージした部分のご説明になります。
まず全ての音を構成する低音域の部分は半分程度は残る事が多いです。ただしここの部分は残ったとしても周囲に伝わって反射するほどの力がないので窓際でしか体感できない音のイメージです。
次に中音域です。中音域は音の中心部分であり一番気になるところだとは思うのですが、ここは経験上戸建て住宅であっても7割程度抑えられるイメージをされてください。ここで「3割残るのか」と思ってしまいがちですが、実は木造戸建ての壁から残る音と同じくらいなので実質残った音が気になるという程の感覚ではないというイメージをされてください。 最後に音の立体感を作る高音域ですが、ここは理想的な状態で9割くらい消えるイメージをされてください。ここの部分も1割残る部分が気になるかとは思いますが、どんなに高機密な内窓枠でも、内窓枠の共振がありますので仕方なく、またここは今お使いの窓ガラスのコインシデンスとも被るので2重構造では消せない部分です。
これらをまとめますと木造戸建て住宅の場合だとして、またアップライトピアノの壁を直接伝わる音を無視したとすると65%以上抑えられた感覚となり住宅街であったとしても安心してピアノを弾ける環境になると断言できます。 ただ、ここでご注意いただいたいのはピアノの音漏れを防ぐのだとしても10件あれば10通りの間取りがありピアノを置いてある環境の違いや、実は窓からではなかったというような音の伝播経路もあります。
最大の効果を得るための業者選び
ピアノの音漏れを無くす為に内窓を選ぶ事、そして高機密な内窓を選ぶ事となりましたが、一番重要なのはここからです。どんなに素晴らしい内窓を選んだとしても最高な施工がなされなければ満足度は下がりますし、同じ最高な内窓を付けても間取りや環境によって満足度が変わってくる為、建物や間取りそして設置後、どのくらいの状況になるのかをきっちり説明してくれる人と巡り会う必要があります。
同じ内窓をつけたとしてもその性能がどこまで発揮されるかはお願いした工事店の説明通りにしかならないので、業者選びがとにかく大事です。 私たちは今回のピアノの音で言うならば、その実体験を知識をして得たものとの相対関係で感じているので、最後に聞こえる音がどの程度のものなのかという事を正しい認識として得られないとやはりどんな事も不安が残るものです。
ここの文章に書いてある程度のことは最低説明してくれて、あなたか期待できるなと感じた業者に工事を依頼してください。 同じような工事をしても満足度は工事をする前からイメージできるものです。
二重窓でピアノの防音まとめ
ピアノの防音対策は様々な防音対策の中でも特に失敗のできない大切な対策工事でしょう。いろいろな音と比べても音の特性が特別なものであり、決して簡単な防音ではありません。そしてどんな工事をしたとしても、残る音が確実にあるからこそ、その残る音が正しい認識として、なぜ大丈夫であるのか、また残った音が周囲に迷惑をかけるものではないということを認識していただいて、最善な工事を目指してください。
ここは最善を目指しませんと他人では弾いている本人が常に気にすることになってしまいます。また更に音源が室内になるということは外から入ってくる音よりも難しいので、家や間取り、建材の遮音性能の知識がないとガラス単体の防音効果だけを見て音が何割減るなどといった素人的な防音対策になってしまう事が多いです。
ピアノを弾かれる方は多くの方が音に大変詳しいと思いますので、最高の内窓で最高の防音対策をした時に「これで大丈夫」という確信が持てると思います。 丸正屋は、どこまでもピアノの防音対策を突き詰めていきますので、悩んでしまった時には是非ご相談ください。